2018年1月1日の職業安定法の改正により、企業がハローワークやホームページ等で労働者を募集する場合のルールが変わりました。
この職業安定法改正の背景にあるのは、大幅な求人数とトラブルの増加です。
2017年は有効求人倍率1.5倍、正社員の有効求人倍率も1.0倍を超える月が発生し、バブル期を超える高水準となりました。2018年の現在も、依然として高い水準を示しています。
有効求人倍率が高くなると、労働者を募集する企業は「売り手市場」という好ましくない状況に陥ってしまいます。好条件・好待遇での採用が実現できれば人材確保も容易ですが、企業の約99%が中小企業という日本では、現実は厳しいという現状です。
そんな中で、虚偽誇大な労働条件を明示し、人材を確保しようとする企業が増加しました。元々、労働条件の公開が曖昧な内容で了承されていたこともあり、このような問題は以前から発生していましたが、求人数の増加と人手不足が重なって、それに関するトラブルも増加。その結果、職業安定法が改正されることになりました。
今回改正された職業安定法の改正のポイントは、大きく分けて5つあります。
1.労働条件を明示するタイミングの明確化
最初に明示した労働条件が変更される場合は、その変更内容について明示しなければならないことになり、「最初に聞いていた条件と違う」というトラブル防止のために新設されました。
2.明示しなければならない労働条件が追加
裁量労働制を採用している場合は時間を明示する等、時間外労働や賃金について、より明確に明示することが求められるようになりました。さらに、募集者の氏名や名称の明示、派遣労働者を雇用する場合は雇用形態の明示も必要となりました。
3.労働条件の明示に当たり遵守すべき事項について
虚偽の内容を明示してはいけないこと、試用期間と本採用後のそれぞれの労働条件を明示すること、職場環境も明示するよう配慮すること等、遵守すべき事項が定められています。
4.条件変更の明示方法について
求職者が変更の内容を適切に理解できるように、具体的な明示方法とすべきこと、また、学校卒業見込者等については、特に配慮が必要であり、変更を行うことは不適切であるということも示されています。
5.職業紹介事業者を利用する場合のポイント
企業が職業紹介事業者を利用して労働者を採用する場合、どのようなことに留意すべきなのかが示されています。
全体を通してみると、今回の改正は、主に求人を募集する企業に対しての内容となっていますが、5については、人材紹介・人材派遣会社等の職業紹介事業者が新たに守らなければならない事項も示されているので、注意が必要です。
特に「自らの紹介により無期雇用契約で就職した者に対して、就職した日から2年間は転職の勧誘を行ってはならない」という事項。が
これはつまり、職業紹介事業者は、紹介により就職した人が紹介先で何年働いているのか、把握しておく必要があるということを示しています。
特に、数百名や数千名の登録者を管理する事業者は、この2年間をどのように管理していくかが重要な課題となっています。
管理不足での法令違反を避けるためにも、見落としやすいアナログの管理では不十分で、システムでの管理が望ましいと考えます。現在導入しているシステムで管理できないのであれば、システムの変更も検討し、早めに対応すべき課題であると考えます。
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